Sella Group

Sella Group社、プラットフォーム上の分析&計画

データ主導の組織を構成し、情報へのセルフサービスアプローチで従業員の利便性を向上

銀行業界のイノベーターとして、Sella Groupは、進化し続ける同社のポジションを監視するために必要な俊敏性もたらす、分析、計画、および制御のためのより堅牢なプラットフォームを必要としていました。現在、Sellaは、Board意思決定プラットフォームを使用して、多数のプロセスをデジタル化し、ユーザが必要な情報にセルフサービスでアクセスできるようにするデータ駆動型の組織になり、販売ネットワークと財務予算、予測を整合させグループ20社のパフォーマンスの可視性を高めています

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  • Industry: Banking & Financial Services
  • 部門: Finance, Sales
  • 子会社: 20社
  • ビジネスライン: 5
  • 日々アクセスユーザ数: 2000名

Sellaグループは、国内外に拠点を置くイタリアの独立系同族会社です。自由な発想を持ち、常にイノベーションを将来的な課題への解決策として捉えています。Sellaグループの歴史を振り返ると、「責任感」、「顧客への愛」、「熱意」、および「能力主義」という価値観と、「変化の速い、急速にデジタル化する世界で競争優位を保てるよう顧客の個人的課題とビジネス課題の解決を支援する」という目標が色濃く浮かび上がります。

Sellaグループは、国際決済プラットフォーム「Axerve」を展開するeコマースセクターを代表するイタリアの企業であると同時に、スマートフォンを使った新しいお金の管理方法「Hype」などの電子決済システムやデジタルソリューションを手掛けるトッププロバイダーの1つでもあります。

Gaudenzio Sella(1860~1934)氏は兄弟・いとこを含む6人の親族とともに、1886年、Gaudenzio Sella & Cを創設。現在のSellaグループの礎を築きました。1996年、Banca Sella(Sella銀行)はイタリアだけでなく欧州全体の先駆者銀行の1つとして、早々にWebサイトを開発してオンラインで公開し、銀行業務の完全なデジタル化を行いました。

また2013年には、オープンバンキング部門を立ち上げたイタリア初のグループとなり、再び欧州において先駆者銀行の1社となりました。同年Sellaグループは、オープンイノベーションやデジタルトランスフォーメーションのプロセスでスタートアップや企業をサポートすべく、イノベーションセンター「SellaLab」を発足し、ミラノ、ビエラ、レッチェ、サレルノに拠点を設置しました。

2017年にイタリア財務相立ち会いのもとミラノに設立されたフィンテック地区(Via Sassetti 32(通称: S32))では、何十もの国内・国際オープンコラボレーションやフィンテック施策を推進しています。

同持株会社の経営陣は、Sellaグループの伝統的価値観を損なうことなくグローバル企業としての地位を確立するため、その考え方とアイデンティティの改革に絶えず取り組んでいます。

「Sella家が繊維業界で起業した1500年代当時から長年変わらない当グループの気風を1つ挙げるとすれば、それは絶え間ない変化です」と、SellaグループのGroup Planning, Execution and Control部門責任者であるAlessandro Basile氏は説明します。

Sellaグループの歴史は、「イノベーションと創造的自己破壊の450年」と要約できるかもしれません。その進化の過程からわかるように、当グループの発展は常にイノベーションによって支えられてきました。また、イノベーションと並ぶ2つ目の不変要素として、お客様に対する熱い思いがあります。この流れの一環として、Board意思決定プラットフォームを導入し、これをSellaグループ全体へと段階的に拡張したことは、当グループのテクノロジイノベーションと創造的自己破壊へのアプローチ、および直接的間接的にSellaグループと関わりを持つすべての利害関係者やお客様を大切にする私たちの姿勢にぴったりと合致します。Sellaグループの戦略的目標、現実の目的は、人々が各自の望みを満たすことができるよう、未来型の金融エコシステムを構築することです。

この目的を達成するにあたり、Sellaグループは組織を20社構成にして、イタリア、スイス、スペイン、英国、ルーマニア、アラブ首長国連邦、インドで、次の5つの事業分野を通じて革新的ソリューションを提供することにしました。

  • インベストメントバンキング(主要なコーポレート&インベストメントバンキングおよびベンチャーキャピタル市場での市場創出)
  • プライベートバンキング(投資業務、受託業務、ファミリーオフィス)
  • コマーシャルバンキング従来型およびオンライン、(消費者金融、保険仲介、損害保険、P2P、貸付、リースなど))
  • オープンバンキング(デジタルソリューション、電子決済、クレジットカードおよびデビットカード、eコマース)
  • バンキング・金融セクター向けIT

課題: 増加する分析リクエストをリアルタイムで処理すること

2008~2012年の金融・経済危機によって数々の問題が生じた結果、Sellaグループの計画立案・コントロール担当チームでは、大量のレポート/分析/データ要約のリクエストのリアルタイム処理の実現が緊急の課題となっています。

現在の役職に就任してまもなく、私はグループのデータ資産関連の分析や重要な洞察を提供する能力を高める必要性に直面しました。つまり、実際にソフトウェアを選択するためには、まず専任チームを選出して、業務プロセスのロジックを再定義する必要があったのです

と、Alessandro Basile氏は振り返ります。

このチームを、IT、財務、プロジェクト管理など各種専門領域にわたるスキルを持ったプロフェッショナルで構成することにより、社内のセンターオブエクセレンスを実現し、計画立案およびコントロールプロセスの再設計を行ったうえで、新しいソフトウェアソリューションを導入するようにしました。

時間をかけて徹底したソフトウェアの選定プロセスに取り組んだ結果、Boardが3つの理由から圧倒的に優れたプラットフォームであることが明らかになりました。まず第一に、業績管理がBI機能と完全に統合されているオールインワンソリューションであること。これは当グループにとって重要な要件の1つでした。というのも、私たちは分析、計画立案、コントロールを行うための単一プラットフォームを必要としていたからです。次に、Boardに直感的なネイティブのドリルダウンおよびドリルスルー機能が搭載されていること。これらの機能により、データ操作の面で敏捷性が大幅に向上するため、情報の静的な表示と動的な表現を切り替えることができます。最後に、このプラットフォームは汎用性が高く、全面的にカスタマイズ可能なこと。その際、ユーザがプログラミングコードを書く必要はありません

と、Basile氏は説明します。

Sellaグループ20社をカバーする「プラットフォームとしてのBoard」プロジェクト

Boardを導入することで、本格的な取り組みに乗り出し、グループのすべての計画立案およびコントロールプロセスの大幅な再構築をBoardを利用して進めることができたと、Basile氏は話します。Boardプロジェクトは長年にわたり、Sellaグループの数多くの領域へと拡張されました。その範囲は、(完全かつ強固な情報基盤を整備するための)参照インフラストラクチャから、幅広い最新世代のモバイルアプリケーションまで多岐にわたります。それが付随するプロセス、とりわけ販売拠点や本社機能のネットワークに関連する部分への改善にもつながり、CEOを含む経営幹部が効果を実感するようになりました。

  • 月次経済/財務/資本レポートの作成: 全グループ会社のレポートおよびグループのレポート、連結ベース
  • 財務予算編成と予測
  • 販売分析とレポートの作成: ネットワーク全体(2,000人以上の販売スタッフ)
  • 専用ダッシュボードの作成: 販売スタッフごと、ポートフォリオ分析
  • ベンチマーク分析: 「業種別」指標(地域、市場シェアなど)
  • 共同レポートの作成: グループの基幹情報
  • KPI分析: 予算の重要な評価指標と実際の数字
  • ビジネスモデル分析(BMA: 欧州のガイドライン(EBA - 欧州銀行監督局)に沿った持続可能性分析
  • 各新事業の立ち上げに関連付けられたダッシュボードの作成
  • マネージャごとのダッシュボードの作成およびセルフダッシュボードの作成(ネットワーク、本社)
  • Webサイトのトラフィックやオンボーディング(コンバージョン率) に関する情報の読み込みと分析のためのGoogle Analyticsコネクタ
  • 日次グループ指標(日々の粗利益などの財務指標、戦略的変革などの業界の推進要因を表示)

私たちが成功裏に採用した組織モデルは、「プラットフォームとしてのBoard」と要約できます。グループを構成する20社のレポート作成、分析、ダッシュボード、計画立案、およびビジネスモデリングのプロセスはすべて、単一プラットフォームに完全に統合されています」と、Basile氏は述べています。これにはさまざまな理由から大きな利点があります。その最たる点は、データの質と完全性、経営情報配信のスピードと効果、そして共有データをはじめとする多様な利害関係者との協力です。

Sellaグループは、Boardを導入するために以下の2つのレベルに分けることにしました。

  • Boardデータベースで構成される層。組織(主にDBUおよび部門システム)の各種ソースからの情報を統合
  • Sellaグループ会社ごとに構築されたBoardをベースとするアプリケーション専用の層。

Basile氏は次のように続けます。

「プラットフォームとしてのBoard」組織モデルによって、業績管理とビジネスインテリジェンスに関する業務の完全な統合と連携を達成できました。20のグループ会社は長年、それぞれ異なるカスタム機能を必要としてきましたが、本社の計画立案・コントロール担当チームである私たちは、それらのニーズにうまく対処できませんでした。というのも、必要とする詳細な運用情報が何かを明快に理解しているのが各社のマネージャだけだったからです。2層構造にしたおかげで、各社がそれぞれの組織構造のニーズに合わせて独自のアプリケーションを構築し、カスタマイズできるようになると同時に、共有フレームワーク内で運用することで、グループ規模で共通の目標に向かうことができるようになりました。

Sellaグループの各社間で協力や共有が促進された理由には他にもあります。それは、データが、データベース層やBoardのアプリケーション層から切り離された個別のレポートで示されるのではなく、Sellaグループのいわゆる「レポーティングポータル」で表示できるようになったことです。このポータルは、すべての情報への単一アクセスポイントで、事業計画の立案と業績データを提示することを目的としており、会社のイントラネットからアクセスすることが可能です。

Board環境では、以前は後日に回さざるを得なかったリアルタイムでのビジネス分析と結果についての議論を、ミーティングの最中でも行うことができます。レポーティングポータルでは、Boardで作成したすべてのレポートの「ホーム」を設けました。現在では、5,000人の従業員全員がそれらのレポートにアクセスできます。付与されるアクセス許可のレベルは、支店の販売担当幹部からCEOまで、各自の役割に応じてさまざまです。また、当グループがGoogle Analyticsとのダイレクトコネクタを導入した欧州初の銀行であるとお伝えできることを誇りに思います。このコネクタによってBoardは、その極めて重要なツールと通信して弊社のWebサイトトラフィックデータをリアルタイムで読み取ることができます。それらのデータはBoard上に構築されたダッシュボードに送られ、弊社Webサイトへの訪問数に関連する日々のコンバージョン率データが示されるため、非常に明確なカスタマジャーニーのイメージを描けるようになりました。

と、Basile氏は説明します。

2,000を超える販売アカウントのダッシュボードの作成: 財務予算編成と予測を販売ネットワークと整合

「プラットフォームとしてのBoard」モデルによって、Sellaグループは、財務計画の立案と予測の全プロセスを単一の環境に統合して、分析とレポート作成作業を実行できるようになるだけでなく、それらのプロセスを販売ネットワーク全体と接続することもできました。それが目標設定に大きな貢献を果たし、販売および経済的効果の向上につながっています。その結果、Boardの主要機能の1つである、戦略面、財務面、運用面をもれなく含むエンドツーエンドのプロセスを展開する能力が高まりました。

このプロジェクトの実行にあたり、まず着手したのは当方の戦略的目標である「お客様」です。私たちはお客様との関係をできる限り効果的に管理したいと考えていました。そこで、(Boardの導入前に)データの管理やコントロール方法が時代に合わなくなったことで困難な状況に置かれていたネットワークの販売スタッフが抱えるニーズについて意見を集めました。販売スタッフ専用のダッシュボードを、まずは支店レベル、次に各販売担当者レベルで構築することにしたのはそのためです。当グループには現在2,000人を超える販売スタッフがいて、各スタッフにポートフォリオを構成できる個別のダッシュボードが提供されています」と、Basile氏は説明します。「販売スタッフのためにダッシュボードの作成を開始してすぐ、誰もが各自のダッシュボードを望んでいることがわかり、それが連鎖反応を引き起こし、私はそれを『iPhone効果』と呼んでいました。これらのダッシュボード作成アプリケーションでは、アプリケーションがもたらす良質なデータと有効な洞察を、魅力的なルックアンドフィール(ネットワークマネージャと協力して設計)や直感的な情報の提示方法と組み合わせました。

実際、Boardによって構築されたアプリケーションの主要機能の1つは、卓越したレベルのユーザビリティです。多くのユーザあるいは多くの画面やダッシュボードを抱えている場合は特に、極めて重要な要素となります。意思決定プラットフォームで作成された無数のアプリケーションからユーザが最適な方法を検索できるようにするため、Sellaグループでは、Googleに似た検索エンジンを導入してトップクラスのユーザエクスペリエンスを実現することにした、とBasile氏は振り返ります。この検索エンジンのおかげで、ユーザは営業日の特定の時点に、各自のデバイスで必要な情報を素早く簡単に見つけることができます。

「それこそが、私たちの『内部顧客』であるマネージャから求められたものです」と、Basile氏は説明します。「計画立案・コントロール担当チームの私たちは、言わばスタートアップ企業として、顧客である組織内の同僚に対して、非常に魅力的で有用なアプリケーションを提供して、重要な洞察をもたらす役目を背負っているようなものです。1日あたり平均約2,000人のBoardユーザが接続し、1,000以上の画面が存在することから、業務の質と効率を確保するうえで何と言ってもユーザビリティが欠かせない要件となります。」

このようなアプリケーションを導入したことで、販売ネットワークの主な成長指標はもちろん、顧客サービスにも、顕著な向上が見られるようになりました。例えば、Sellaグループのサービスを最大限に活用している顧客を指す「業績良好な顧客」指標は、0.5%から3%上昇しました。この傾向は、グループ全体でのさらなるデジタル化と自動化、つまり組織自体の利害関係者から要求されたデジタル変革を促す推進要因となりました。

「レポート作成者」から「ビジネスパートナー」へ

分析およびレポート作成アプリケーションは、「業種別」トピックや、技術形式・領域別の市場シェアやアクティブ率に関するベンチマークの専用ダッシュボードを作成することでさらに拡張されました。これらはすべて、ユーザが各自のデバイスからオンラインでアクセスして参照することが可能です。これらの業種別のダッシュボードの表示は、グループの各事業ごとの「内部顧客」を対象とし、日単位の概要(または多くとも週単位の概要)が提供されます。この情報は、Boardを導入するまで四半期単位でしか提示できなかったものです。このさらなるデジタル化により、新たに大きなメリットが生まれました。以前はレポートをいかに(手動で)整理するかの議論に費やされていた時間が、今ではデータをプロアクティブに解釈して、戦略/業務上のより良い意思決定のために使われるようになったのです。

Boardによるデジタル化を目指すこの取り組みで、Sellaグループでは、各収入源の出来高や価格といった財務面にとどまらない、一連の推進要因について熟考するようになりました。そのため、グループの事業単位ごとに、まずは顧客に割り当てられた数量と関連する個別粗利益をマッピングして、現象を厳密な分析的観点からより深く理解できるようにしました。

このマッピングを足掛かりとして、私たちは一連の『遅行』財務指標、すなわち、文書化されるまでに古くなってしまう指標から、一連の『先行』指標へと移行することができました。これにより、その業界での生成価値を分析することで財務指標が今後どのような動きを見せる可能性があるかを即座に理解できるようになったのです

と、Basile氏は振り返ります。

Boardによってこれらのイノベーションを導入したおかげで、Sellaグループのコントローラは、利用可能なデータの分析と共有知識に基づき、組織のマネージャらと適切な協力体制を築くことが可能になりました。

およそ60人のメンバーで構成された計画立案・コントロール担当チームは、その考え方を変え、単純なレポート作成者からグループの成熟したビジネスパートナーへと転身することを求められました」と、Basile氏は指摘します。「レポートの作成が『マシン』とソフトウェアに任されるようになり、実際により素早く、詳細かつ正確にレポートが生成されるようになりました。これはレポートの質はもとより、チームメンバーが節約できる時間という観点でもプラスで、その時間を付加価値の高い業務に振り替えられます。実際、財務担当者は、自動生成されたレポートを基に各自のインテリジェンスを最大限に活かして、ビジネスに挑むことができるようになりました。これにより、チームがビジネスガイダンスの有益なソースになると同時に、レポートがますます必須要素と見なされるようになっています。分析担当者の考え方がこのような進化を遂げたのは、Boardのおかげです。

しかもこれは財務チームの分析担当者にとどまらず、意思決定者や経営幹部にもいえることです。事実、Sellaグループでは、新たな事業の立ち上げ時にも、すでに稼働している事業に対して遡及的にも、各マネージャのニーズに応える形でデジタルダッシュボード作成プロセスが確立しつつあります。

計画立案・コントロール担当チームでは、Boardの支援を得て明確かつ具体的な組織原理を取り入れました。新たな事業を立ち上げて商品を市場に投入する場合、その商品の日々の業績を示す専用のダッシュボードを用意することを要件としたのです。そのダッシュボードは当該事業の経営陣の徹底した協力によって構築されます。この原則を適用する必要があることは、当初厳しすぎる要件のように見られたかもしれませんが、今ではスタッフ全員が極めて有益な必須要素だと捉えるようになりました

と、Basile氏は主張します。

欧州のガイドラインに沿った、自動化された持続可能性分析と管理シナリオ

Sellaグループの銀行・金融サービス部門は数社で構成されていることから、欧州銀行監督局(EBA)のガイドラインに従う必要があります。そこで持株会社は、持続可能性分析用の特定のビューを管理、使用する目的で、Board上にビジネスモデル分析環境を構築しました。

Board上で開発された分析モデルを使用することで、会社にグループの20社すべてをカバーする組織横断型の表現手段を実現しました。これにより、EBAガイドラインに沿った定期的な持続可能性分析を自動化することができました。つまり、事業分野ごとにさまざまなパラメータやシナリオに従って、粗利益の観点から収益性と発展の可能性を示す定期的なオンラインレポートが得られるということです。

と、Basile氏は説明します。

「当グループのCEOはBoardを幅広く活用しています」

各責任者は、各自の目標と主な結果に関する情報にアクセスできます。これは、信頼できる完全かつ正確な基準値、すなわちBoardのデータベースに基づいて定義されているため、財務領域の実績および実行結果の両方と整合が取れたものです。各利害関係者が財務実績、KPI、主な結果の観点から業績のチェックや評価を行う目的で、組織のさまざまな構成要素から最適なものを検索できるようにするため、Sellaグループの組織図がBoard環境内で複製されました。ほかにも、日々のグループデータが含まれるダッシュボードを、CEOをはじめとする最高責任者レベル全員がマルチデバイスモードで利用できるようになりました。

このダッシュボードでは約20種のKPIを組み合わせることで、各部門の最高責任者やCEOが任意のデバイスからワンクリックで通常業務と変革の主な指標を確認できるようにしています。またこのビューには粗利益も含まれます。銀行業界での粗利益の監視や分析が容易でないことは広く知られていますが、それは大手小売チェーンで見られるような現物の「レジ」がないためです。銀行が販売する商品の多様化を前にして、粗利益に関する情報を収集することは、決して容易ではありません。Boardにより、日単位での粗利益の監視を実施できるようになりました。これにより、実際の数字が予算の数字から大きく逸脱していることがわかった場合に、即座に意思決定を行うことができます。つまり、当グループのCEOが特に活用しているツールの1つがこのダッシュボードなのは偶然ではないということです。

データ駆動型の組織になる

本社機能との完全な統合において、まず最初に幅広いBoardアプリケーションを販売ネットワークに特化させた計画立案・コントロール担当チームは、次にSellaグループの本社で働く600人あまりのマネージャの分析作業をデジタル化することで、データ駆動型の組織を実現するためのプロジェクトを遂行することにしました。そこで、管理者の任務を自律的かつ業績への責任を負うものにするため、Boardを使ってセルフダッシュボード作成ツールが開発されました。

本社では、600もの組織単位(地域、オフィス、サービス)と各専任マネージャのニーズに応える必要があります。つまり、スタッフが各自のダッシュボードを作成、監視、維持できるようにすれば、グループの効率と効果の観点から非常に大きな競争上の優位性が得られるということです。Boardのセルフダッシュボード作成ツールによって、マネージャは各自のビジネスニーズに沿って一連のデータと指標を利用できます。またこのツールとともに、Boardをベースとするウィザードも取り入れたことで、各マネージャがどの情報をダッシュボードに加えて公開するかを選択できるようになりました。そのすべてが自動的に実行されます。その際、プログラミング言語の知識やその他特定のIT知識は必要なく、業務を最も効果的に監視できるようにするための一連の指標を選択するだけで済みます

と、Basile氏は話します。

Boardのセルフサービステクノロジによって、Sellaグループ各社とそれぞれの事業のマネージャは、引き続きBoardプラットフォーム上で同じ作業環境を他者や同じデータセットと共有できる一方で、処理能力を高めて各自のデータや活動の発展要因を自律的に解釈できるようになりました。

年間約80万件のBoardへのログイン(前年比30%増)、2,000人のBoardユーザの接続(こちらも増加)、業績管理、分析、ダッシュボード作成、データ品質に関する約1,000の画面が、1日に2回Boardによって自動的にチェック、更新されることを考えれば、Sellaグループは成熟したデータ駆動型の組織の実現に向けて大きく前進したと言えるでしょう。また、Boardによる取り組みをここでやめるつもりはありません。近い将来、このプラットフォームのWhat-if分析と人工知能機能を取り入れたいと考えています。そうすれば、対象となる事業のGDPの日々または定期的な変化の影響をシミュレートすることで、市場のさまざまなシナリオで起こり得る変化の経済的影響をより効果的に予測できるようになるためです。また、Boardの機械学習機能を利用して予測能力の継続的な向上を図ることで、ビジネスへの挑戦も促進する計画です

と、Basile氏は締めくくります。

Boardで何ができるか見てみましょう。

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